躁病  



躁病


躁状態の大半は、躁うつ病(双極性障害(うつ病と躁病: 躁うつ病を参照))の一環として起こります。躁状態だけの単極性障害のようにみえるごく少数の人でも、実際には軽度または短期間の抑うつが生じている可能性があります。躁病と軽躁状態はうつ病より少なく、気づかれにくい病気です。極度の悲しみに沈んだ状態があまりに長く続けば、医療機関を受診する気にもなるでしょうが、躁病の人は自分の精神状態や行動に異常があるとは思っていないことが多く、気持ちが高揚するという理由で病院に行く人はほとんどいません。うつ病の既往がなく、初めて躁状態になった人の場合は、まず体の病気や障害がないかどうかを調べる必要があります。


躁(そう)病は、過度の身体活動や、実際に起きた出来事から考えて著しく不釣り合いなほど極端な高揚感を特徴としています。軽度の躁状態を軽躁状態といいます。


躁病・躁状態の原因となる

身体的要因


薬物の副作用

アンフェタミン類
抗うつ薬(大半)
抗うつ薬からの離脱
ブロモクリプチン
コカイン
コルチコステロイド薬
レボドパ
メチルフェニデート
感染症

エイズ
脳炎
インフルエンザ
梅毒(晩期)
ホルモンの病気

甲状腺ホルモンの過剰
結合組織の病気

全身性エリテマトーデス
神経の病気

脳腫瘍
頭部外傷
ハンチントン病
多発性硬化症
脳卒中
シデナム舞踏病
側頭葉てんかん




症状と診断


躁状態は、概して数日間のうちに急速に発症します。躁病の早期(軽度の段階)にある人は普段より気分が良く、元気いっぱいで、非常にエネルギッシュです。

躁病の人は怒りっぽく、口論好きで、敵対的になることがあります。また、自分はきわめて元気だと確信しています。自分の状態に対する認識が欠如していることに加えて、活動のエネルギーに満ちあふれているため、せっかち、出しゃばり、おせっかい、じゃまをされるとかんしゃくを起こすなどの行動がみられます。頭脳活動が活発化して(観念奔逸と呼ばれる状態)、気が散りやすく、関心の対象がすぐ変わります。自分には巨万の富がある、力がある、発明の才能がある、天才だなどと思いこみ、それが高じると、自分は神だなどの誇大な妄想を抱くようになることもあります。

だれかに守られている、迫害されているなどと思いこんだり、現実には存在しないものを見聞きする症状(幻覚)が生じる人もいます。睡眠への欲求が低下します。また、社会的な危険を考えることなく、疲れを知らずに活発な衝動的行動(リスクの高いビジネスを始める、ギャンブル、危険な性行動など)に走ります。極端なケースでは、心身ともに狂乱し、気分と行動の間の明確なつながりが失われた1種の無意味な興奮状態(せん妄・もうろう状態)となります。このような状態になると、極度の疲労から死亡するおそれがあるため、ただちに治療する必要があります。これほど重症でない場合も、躁状態のときは破滅的な金銭トラブルや性行動から本人と家族を守るために、入院が必要となる場合があります。

躁病は症状から診断されます。しかし、本人は自分には何も悪いところはないと主張するので、事前に家族から情報を得る必要があります。


治療


うつ病と違って、躁病は治療をしなくても突然治まり、症状の持続期間もおおむね短く、2〜3週間から数カ月程度しか続きません。躁病は医学的にも社会的にも緊急を要する状態のため、あらゆる手を尽くして入院させ、治療を行う必要があります。

リチウムには躁病の症状を軽減する働きがあります(うつ病と躁病: 経過の見通しと治療を参照)。リチウムは効果が出はじめるまでに4〜10日かかるため、ハロペリドールなど即効性のある薬を併用して、興奮した思考や行動をコントロールします。ただし、ハロペリドールは筋肉のこわばりや異常な動きを引き起こします。このためハロペリドールを少量投与し、ベンゾジアゼピン系の薬(ロラゼパム、クロナゼパムなど)でハロペリドールの抗躁作用を強化するとともに副作用を軽減します。通常、ハロペリドールは約1週間で投与を中止します。


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[2007/06/28 08:47] 心の病気 | TB(0) | CM(1)

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[2007/06/28 08:50] [ 編集 ]

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